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笹原税務会計事務所
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今回は、「贈与税のの配偶者控除」の “特徴” について、まとめていきます。
この特例は、
夫婦間の居住用財産の贈与における贈与税の特例であり、
「おしどり贈与」とも呼ばれます。
なお、今回は、「贈与税の配偶者控除」の(第2弾)の記事になります。
(第1弾)では、概要、適用要件について、まとめています。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
「贈与税の配偶者控除」の特徴について、
この特例のメリット、デメリットを考察していきます。
「生前贈与加算」とは、
亡くなる前3年以内に行われた生前贈与は、
その生前贈与は無かったものとし、
相続財産とみなして、相続税を計算します
という制度です。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
「贈与税の配偶者控除」は、
贈与税の特例にあたり、上記の「生前贈与加算」の対象にはなりません。
つまり、相続財産に加算せず、相続税を計算します。
「マイホーム売却の特例」とは、
自宅売却にかかる譲渡益から
3,000万円を控除することができる特例です。
特例適用にあたっては、一定要件を満たす必要があります。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
居住用財産(特に、家屋)を夫婦の共有財産にしておくと、
将来自宅を売却するときに係る税金(譲渡税)で、
夫婦それぞれで、譲渡税の特例(マイホーム売却の特例)を適用できます。
1人の特別控除が3,000万円なので、2人合計で6,000万円の控除ができます。
マイホーム売却で大きな売却益が発生する場合には、
この6,000万円の控除は大きな節税に繋がります。
小規模宅地等の特例(この特例)は、
「配偶者や同居している親族が相続する場合、自宅の敷地評価を80%減額」
することができる特例です。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
生前贈与で配偶者に自宅を贈与してる部分については、
この特例を適用することはできません。
あくまでも、相続のタイミングで、この特例を適用することが要件となります。
仮に、2,000万円分の自宅不動産を生前贈与しても、
相続でこの特例が適用できるため、400万円分(2,000万円×80%)評価減にしか
繋がりません。
「相続税」の「小規模宅地等の特例」は、
「贈与税」の「贈与税の配偶者控除」を代替するような役割となっています。
配偶者の税額軽減(この特例)は、
「夫婦間の相続であれば、最低でも1億6,000万円まで無税で相続」
することができる特例です。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
夫婦間であれば、1億6,000万円まで無税となるので、
「わざわざ、贈与税の特例(贈与税の配偶者控除)を使い、
2,000万円分の贈与をする必要があるのか?」
ということを検討しなければいけません。
「相続税」の「配偶者の税額軽減」は、
「贈与税」の「贈与税の配偶者控除」を代替するような役割となっています。
不動産を贈与する場合には、
「不動産取得税」と「登録免許税」という2つの税金がかかってきます。
「不動産取得税」とは、
不動産を取得した時にかかる税金です。
「登録免許税」とは、
不動産の所有権を登記(登録)する時にかかる税金です。
「贈与」のケースと「相続」のケースで、
この2つの税金に大きな差が出てきます。
下記の表をご参照ください。
まず、「贈与」と「相続」を比較すると、
「贈与」の時の税金が、割高になっていることがわかります。
また、「相続」の時の「不動産取得税」は、非課税となっています。
さらに、不動産を贈与する場合には、
名義変更の手続きが必要です。
具体的には、
① 不動産の贈与にかかる登記(司法書士にかかる手数料)
② 贈与税申告(税理士にかかる手数料)
になります。
不動産を贈与することにより、
諸々の費用がかかってきてしまうことを
念頭に置きましょう。
相続財産が、
基礎控除額以下であれば、
相続税は発生せず、相続税申告も不要となります。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。
そのため、「贈与税の配偶者控除」で生前贈与を行ったとしても
税金面からメリットは得られません。
わざわざ、「贈与税の配偶者控除」を使う意味はありません。
また、贈与税の特例を使うことにより、
「不動産取得税」や「登録免許税」が割高になること、
士業(税理士:贈与税申告、司法書士:不動産登記)への手数料がかかることで、
移転コストが余分にかかり、返って支出が嵩んでしまいます。
今回は、「贈与税の配偶者控除」の特徴について、まとめました。
夫婦間については、
「贈与」での特例(贈与税の配偶者控除)を適用しなくても、
「相続」での特例(小規模宅地等の特例、配偶者控除)を適用することができます。
相続税の特例(小規模宅地等の特例、配偶者控除)は、
「贈与税の配偶者控除」を代替するような性質があるため、
贈与時の節税効果がどうしても薄まってしまいます。
移転コストが、
贈与時 > 相続時 となり、
むしろ贈与をしたことで費用が嵩む可能性があります。
個人的には、
「贈与税の配偶者控除」を使って節税が図れる、メリットがでるケースは、
非常に限られてくるため、
特例適用にあたっては、十分な検討が必要になると考えます。
「贈与税の配偶者控除」を検討している方は、
ぜひ「税理士」にご相談をお願い致します。
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